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法人営業組織の業績向上に効く2つの視点 ~営業コンサルティングで世界トップのミラーハイマングループの調査より~

セールスイノベーショングループ コンサルタント
高城晴美

法人営業組織の成功のために

法人営業においては、重要顧客と長期的に取引を継続することが、競合会社の参入を防ぎ、安定的に収益を上げるための盤石な方法といわれます。法人顧客の要望はますます複雑で高度化しており、どんなに優れた営業担当者でも個人の力で競合会社を上回る対応をすることは難しくなっています。

あるオフィス機器の法人営業の例ですが、営業担当者はある機械メーカーの購買担当部門の総務部長と長年の取引があり懇意にしていました。ある時、買い替えの合意をもらい喜んでいた矢先に、そのオフィス機器を使用する技術部門の役員から突然他社を検討するように強く指示が出て契約が流れてしまいました。後でわかったことは競合会社の営業が自社の役員の人脈を使って、この技術部門の役員にアプローチをかけ設計業務の効率化について話し合っていたのです。結果的に顧客はこの競合会社から製品を購入し、現在業務改革を進めているとのことでした。この例の敗因は、組織対応の営業活動ができておらず、経営層を含めた複数部門の複数の関係者とコミュニケーションを取っていなかったことといえます。

本コラムでは、法人営業組織が競合に勝ち、高業績を上げ続けるための営業力強化について、グローバル調査の結果から生み出されたフレームワークを基に考えていきます。

セールスリレーションシップ/プロセス(SRP)マトリクスの活用

弊社は営業組織力強化のコンサルティングで世界トップのミラーハイマングループとアライアンスパートナー契約を結んでいます。法人営業力強化のフレームワークとして、ミラーハイマングループ内の専門調査機関 CSO Insights社が2006年から11年にわたり毎年実施している「営業パフォーマンスの最適化に関する調査参考文献1」に基づき考案された、「セールスリレーションシップ/プロセスマトリクス- Sales Relationship/Process(SRP) Matrix」をご紹介します。このマトリクスを使うことで、法人営業組織のパフォーマンス強化と生産性向上の方向性を検討することができます。

このマトリクスは、横軸に「営業プロセスの成熟度」、縦軸に「顧客関係性の成熟度」のレベルを置いています。「営業プロセス」と「顧客関係性」の2つの視点で、営業組織の現状(現在地)と、今後競争力を高め続けるために到達したい位置(目指す位置)をマトリクス上にプロットし、その変化を実現するための今後の取り組み課題を考えます。

セールスリレーションシップ/プロセスマトリクス

まず、マトリクスの横軸「営業プロセス」レベルの定義を見ていきましょう。標準プロセスの有無や営業活動へのプロセスの活用をモニタリングしているかどうか、モニタリングの結果を営業活動やプロセスそのものの見直しに活用しているかでレベル分けしています。

営業プロセスの成熟度レベル

レベル1 プロセスがなく場当たり的管理 標準的な営業プロセスがなく、営業担当者は自分のやり方で活動している
レベル2 プロセスはあるが形式的 会社は営業プロセスを公開し、営業担当者に活用促進しているが、モニタリングや測定はしていない
レベル3 プロセスを定常的に活用 会社は営業プロセスの活用を定常的に強化し、限定的ではあるが効果を測定し、分析に基づいて営業活動を変化させている
レベル4 プロセス基準によるPDCAが定着 会社は営業活動をモニタリングし営業プロセスの進捗状況を継続的に営業現場にフィードバックしている。さらに市場の変化を捉え、問題が出る前に継続的に営業プロセスを修正している

前述の「営業パフォーマンスの最適化に関する調査」から「営業プロセス」のレベルが上がると、次の4つの指標が改善することが分かっています。

  1. 売上目標達成者の割合
  2. 全社の収益計画の達成率
  3. 売上予測の精度
  4. 全社の営業担当者の離職率

さらに2008年の同調査で「顧客関係性」のレベルもこの4つの指標の改善に影響することが分かりました。次にマトリクスの縦軸「顧客関係性」レベルの定義を見ていきましょう。

顧客関係性の成熟度レベル

レベル1 製品購入先 正式な製品購入先と認識されているが、競合製品と比べて特別優れた特徴があるとは見なされていない
レベル2 優先的サプライヤー 市場の評判や過去の取引から、競合よりも自社が優先的な製品購入先と見なされる
レベル3 業務課題解決の相談相手 製品の組合せや付加価値やサービスによって、製品やサービスの最適活用の相談相手と見なされる
レベル4 事業戦略の貢献者 製品やサービスを超えて、直面している変化に対応するための戦略立案の支援者と見なされる
レベル5 経営課題達成のパートナー 長期的な成功の視点で、製品導入、課題検討、プロセス推進などを支援するパートナーと見なされる

レベル1から3までは製品を軸とした関係性、レベル4と5は、製品を超え顧客の成功支援を軸とした関係性を構築できているかどうかでレベル分けしています。

例えば冒頭のオフィス機器の会社の例で、どこにプロットされるか考えてみましょう。この会社では、SFAによって定義された営業プロセスがあり、SFAへの案件進捗状況の入力は義務付けられています。推進部門が入力の促進をしていますがまだ十分ではないため「営業プロセス」はレベル2です。「顧客関係性」は、製品は競合とあまり違いがないものの、営業やメンテナンスの細やかな対応の良さで顧客満足NO1を獲得し顧客に選ばれているためレベル2と評価できます。

さて、あなたの所属している営業組織は、マトリクス上のどこにプロットできますか?

法人営業力強化の2つの方向性

マトリクス上の現在地を定めたら、次に、今後どの位置を目指すのかを特定します。それにより、法人営業力強化のために何を強化すべきかを明確にすることができます。強化の方向性は2つあります。

  1. 「営業プロセス」のレベルを上げる
    「営業プロセス」は、プロセスの定義やマネジャーの支援、モニタリング方法など、すべて自社の意思決定によって変えることができるので、徹底すれば短期的にレベルアップが狙えます。また、営業プロセスを定義する際に、例えばアフターフォローのプロセスで、製品使用状況の報告や、顧客経営層と定期的に接点を持つ機会を持つことを活動項目に設定すれば、「顧客関係性」を上げていくことにもつながります。
  2. 「顧客関係性」のレベルをあげる
    時間をかけて顧客の期待値を上げ、それに応えることで顧客関係性レベルを上げていきます。「顧客関係性」は、顧客が自社をどう認識しているかという期待値であるため、日々の営業活動によってすぐに変えることは難しいといえます。営業部門の上位者や他部門も含めた組織全体で、どのような顧客接点を作り出し、顧客の期待値を上げるのかを設計します。そして、案件を成約するための活動と並行して、顧客関係を強化するための活動計画を立て実行します。これは中長期的な取り組みとなるため、本当に重要な顧客に絞ってレベルアップを狙う方法です。

どちらの方向性を取るとしても、自組織の営業担当者のタイプやスキルといった個人特性とともに、営業サポートツール、ナレッジシェアリング、報酬制度などの組織としてのしくみを点検し、目指す変化を加速させていくことが大切です。

先ほどのオフィス機器の会社では、2年後までに「営業プロセス」レベル4、「顧客関係性」レベル3への到達を目標に掲げました。今は「営業プロセス」レベルを上げることに注力しています。SFAに蓄積されたデータの活用を営業マネジャーに徹底し、営業担当者の案件進捗のコーチングでの活用も始めています。

「営業プロセス」「顧客関係性」と業績の関係

ここで、みなさまが疑問に思うのは、「営業プロセス」や「顧客関係性」をレベルアップするのはいいが、本当に業績向上に結びつくのか?ということではないでしょうか。最後にこの点についてご説明します。

前述の調査結果から、下記のように「営業プロセス」や「顧客関係性」レベルとパフォーマンスレベルの関係をマトリクス上に表しています。3つのパフォーマンスレベルは、前述の1.売上目標達成者の割合、2.全社の収益計画の達成率、3.売上予測の精度、4.全社の営業担当者の離職率という4指標と調査回答者の回答内容を使って設定されています。

マトリクス内に表示しているパーセンテージは、回答組織の何%がそのレベルに該当しているかを表しています。

セールスリレーションシップ/プロセスマトリクス 2016年調査結果

パフォーマンスレベル1~3における4指標の達成率は次のとおりです。

パフォーマンスレベル1 パフォーマンスレベル2 パフォーマンスレベル3
1.売上目標達成者の割合 50% 58% 63%
2.全社収益計画の達成率 80% 84% 88%
3.売上予測の精度 成約率 43% 47% 51%
失注率 34% 29% 26%
進捗なし 23% 24% 23%
4.営業の離職率 18% 15% 14%

パフォーマンスレベルが上がると、各指標の達成率が改善していることがわかります。例えば、「売上目標達成者の割合」は、レベル1は50%、レベル2は58%、レベル3は63%と明らかに向上しています。「営業プロセス」や「顧客関係性」のレベルアップにより業績向上が見込めるのです。

AIやクラウドコンピューティングなど技術革新が急速に進む中、顧客のニーズの高度多様化、異業種の新規参入などビジネス環境は激変しています。競合会社に勝ち事業成長し続けるために、法人営業組織全体で取り組む営業力強化の方向性について本コラムが少しでもお役に立てれば幸いです。

参考文献

  1. Sales Performance Optimization Study 2016 Key Trends Analysis (CSO Insights)
  2. CSO INSIGHTS RESERCH DATE EXPERTISE 2015 (CSO Insights)

効果的な営業力強化研修を選ぶための事前準備と4つのポイント

パフォーマンスイノベーション室 室長
杉本良一

改めて言うまでもないことですが、営業力があるかないか、高いか否かは、会社の業績に大きく影響します。ビジネス環境がめまぐるしく変化するなか、今よりさらに業績を上げたい、あるいは低迷しつつある業績をV字回復させたい――そのように考える企業にとって「営業力強化」は、率先して取り組みやすい改革テーマでもあるでしょう。

とはいえ、「営業力」とひと口に言っても、具体的に「何を」「どこを」「どのように」強化していけばいいのかは会社ごとで変わります。営業人材の底上げを図るのか、営業プロセスや仕組みの問題を改善するのか、戦略的な考え方を浸透させていきたいのかなど、求める部分は各社それぞれで、強化すべき課題も各社で異なるからです。経営から自社の営業力が弱いので研修を考えろと指示されたとしても、営業現場には、そもそも研修に時間を取られたくない、やるとしても具体的で、すぐに成果につながるものにしてほしいという要望があります。

自社が抱える課題に対応しない研修を導入すると、導入の成果は思うように上がっていかず、「やってみたけれど失敗だった」になりかねません。せっかく時間、ヒト、費用といったリソースを投入して行う以上は、受講者から「受けてよかった」「現場で具体的に活かしやすい」「メンバーの雰囲気やモチベーションが変わった」といった喜びの声が上がり、さらに営業活動の成果にもつながるような、研修担当者自身も「やってよかった」と実感できる研修にしたいものです。

ここでは「自社の営業力を強化したい」と考え、そのためのサポートとして研修プログラムを活用する際、「受けてよかった」「やってよかった」と実感できるよう、どのような視点で研修内容や研修依頼先を選ぶとよいか、基本となるポイントをまとめました。

営業力強化研修を依頼する前に自社で事前にやっておくとよいこと

まずは、研修担当者として事前に行っておくべきことを事前準備としてあげておきましょう。

それは、「自社の弱点・課題/めざす方向性の把握」です。

中長期計画などから自社がめざす方向性を改めて理解し、それを実現させるには、現時点で何が不足し、どこに弱点や課題がありそうかを大まかでよいので整理しておくということです。

事前に整理して大体の傾向を把握しておけば、「その弱点や課題を補ってくれそうな研修プログラムや研修提供先を選ぶ」といった選定基準を持つことができ、導入する営業力強化研修を有益かつ有効なものにしていくことができます。

営業力強化研修を有益なものにするための4つの着眼ポイント

では、実際の選定にあたっては何をポイントとして考えていけばよいのでしょうか?
研修プログラムならびに依頼先を選んでいく際の基本的な着眼点としては、次のような4つのポイントが考えられます。

営業力強化研修の着眼ポイント

  1. 自社の営業の弱点を分解して具体的に示してくれる
    第三者視点で自社の営業の現状を因数分解し、弱点・不足点・改善点などを個別具体的に明らかにしてくれるものであること
  2. 具体的・実践的に「いま何が必要か」を指摘してくれる
    一般的・抽象的な内容ではなく、営業の成果につながるよう、自社の弱点を改善するために、いま何をすればよいかを具体的・実践的に学べる内容であること
  3. 最終的なゴールを示し、一里塚で進捗をフィードバックしてくれる
    最終的にこうなってもらいたいという「あるべき姿」が示されていること、さらにゴールに向かうまでの要所要所で研修の成果や受講者の成長(途中経過)をフィードバックしてくれる仕組みになっていること
  4. 潜在的な課題に気づかせてくれる
    研修を通して、それまで見えなかった課題や気づかなかった問題点を気づかせてくれるような内容のものであること

こうしたポイントを意識して選ぶようにするとよいでしょう。

「わかっているけどできない!」は本当ですか?②~なぜ正しく「理解」できないのか、そのメカニズムと正しい「理解」を獲得するためのコミュニケーション~

株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所
コンサルティング部 戦略実行コンサルティンググループ
河村 亨

目次

戦略を「理解する」ときの「壁」—メンタルモデルとスキーマ

コラム1では、戦略実行においては「戦略の正しい理解」という最初の段階でつまずいているケースが非常に多いこと、そしてそれが戦略実行を遂行する上での障害になっていることを、さまざまな事例を挙げて説明しました。 では、なぜ正しい「理解」ができないのでしょうか。今回はその理由について、学術的な側面から、認知心理学の世界でよく使われているキーワードに沿って明らかにしていきたいと思います。

人は物事を捉えようとするとき、まず自分の脳の中にある記憶や概念に照らし合わせようとします。このような、人が物事を理解するために前提として持っている「認識の枠組み」のことを、認知心理学の用語で『メンタルモデル』と言います【図1】。

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図1 メンタルモデル

メンタルモデルは本来、人間が持っている素晴らしい機能です。さまざまな情報を類型化して認識するメカニズムがあることで、理解を助け、それによって素早い判断や行動ができる。また、伝える側にとっても伝達コストを下げます。人が「一を聞いて十を知る」ことができるのも、まさにメンタルモデルあってこそなのです。

しかし、このメンタルモデルも、状況によって悪い作用をもたらします。あらゆる物事をまず型にはめて考えるため、さまざまな誤解も生じ易いのです。例えば、上司が何の他意もなく、部下一人ひとりに「頼りにしているよ」と声をかけたとします。最近成功続きの人は『何かに抜擢されるかも』と勝手にワクワクするかもしれませんし、逆に失敗続きの人は『次は失敗するなよ』と嫌味を言われたと思い、勝手に落ち込むかもしれません。メンタルモデルによって、私たちの脳は、「理解しやすいけれども間違えやすい」というジレンマをそもそも抱えているわけです。

このメンタルモデルが、「戦略の正しい理解」を阻害する第一の“壁”とするなら、さらに第二の“壁”として立ちふさがり、悪さをするのが『スキーマ』です【図2】。

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図2 スキーマ

 

正しい理解を促進させるには?—「思考させるコミュニケーション」とメタ認知

メンタルモデルやスキーマによって、戦略の理解が阻害される。では、どうしたらそれを解決できるでしょうか。
結論から言うと、「思考させるコミュニケーション」によって、自分は戦略を正しく理解しているか、戦略についてどう思っているのかを本人に自覚させることが必要です。これも認知心理学の用語で『メタ認知』と言いますが、自分が理解していないということを客観的な視点から知るという方法です。
そのために重要なのが多角的なコミュニケーションです。当たり前ですが、ただ話すだけより、(ドキュメントで)見せる、しゃべらせる、手を動かして書かせる、対話をする、そしてそれらを踏まえて、最も重要なのが「思考させる」ことです。余談ですが、これは、相手に質問をすることで、何をすべきか考えさせ、答えを導かせるコーチングの手法と同じです。

それでは、「思考させるコミュニケーション」における効果的なやり方について、ツリー図【図3】を使って整理してみましょう。

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図3 思考させるコミュニケーション手段

 

まず、効果的な思考には、アイディア出しをする「拡散」と、実際の行動に落とす「収束」という段階があります。そして、それぞれに対して「能力的」な側面を助ける方法と「意欲的」な側面を助ける方法があります。まず能力的な側面を助ける方法として、共通の「フレームワーク」を活用するというやり方が効果的です。フレームワークというのは、簡単に言うと考え方の手順を示す枠組みのことですが、詳しい説明は後に譲ります。フレームワークを活用することにより、拡散の段階ではアイディア出しのきっかけとなり、収束の段階では整理の助けとなります。
一方、「意欲的」な側面を刺激する手段として、「自己決定」を促すコミュニケーションが効果的です。これにより、拡散の段階では本人のオーナーシップを刺激し、収束の段階ではコミットメントを得る手段となります。

 

戦略展開のキーワード—「フレームワーク」と「自己決定」

正しい理解を生むには思考させ気づかせることが重要であり、そのためには共通のフレームワークを使い、「自己決定」を促すコミュニケーションをすることが有効である、という話をしました。この2つについて、さらに詳述してまいりましょう。

「フレームワーク」は、先ほど考え方の手順であると説明しましたが、ここでは、「限られた時間や制約の中で効率的に対話し、ゴールに到達するための方法論」と再定義しておきます。共通言語、図表、帳票、ワークシート、分析ツール、対話を促すファシリテーションなど、ありようは何でも構いません。要するに、物事を整理するための「共通の棚」のようなものです。「共通の棚」がないと、話をどのように進めていいのかわからず対話が滞ってしまう場合や、中身がないままダラダラ話しているだけで理解も進まず、いつまでたっても話が具体化しません。フレームワークを使うことは、実は戦略の正しい理解において欠かせないことなのです。そして、このフレームワークの活用は、もう1つの「自己決定」を促すコミュニケーションにも大きく関わってきます。

では、「自己決定」を促すコミュニケーションとはどういうことでしょうか。それは本人が自分で考え、自分自身の課題として認識し、主体的に関わるように仕向けることです。つまり、自己決定に基づくコミットメントへと意図的に誘導していくことを意味します。
主体的に関わるように仕向けるには、フレームワークに基づき、自分自身で考えさせ、自己決定を引き出すような「問いかけ」を活用します。たとえば、まず考えさせる問いかけ(ex.「君はどう思うんだい?」)があり、次に思考を拡大させる多角的な問いかけ(ex.「もしこの制約条件がなかったらどうなるだろう?」)、そして結論とアクションを引き出す問いかけ(ex.「何をどこまでやるんだい?」)という流れにして、フレームワークを使いながら自己決定へと導いていく。戦略展開においては、フレームワークと自己決定は車の両輪の関係であり、どちらかが欠けてもうまく行きません【図4】。

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図4 「フレームワーク」と「自己決定」の特徴および相互関係

 

それでは、どういう場面で使えばいいのでしょうか?最も効果的なのは、戦略策定段階から現場を巻き込むことです。戦略実行の計画づくりに本人を巻き込み、何をやるべきか、どうやってやるのかを決めるところから考えさせる。そのときに、「フレームワーク」と「自己決定」を活用した効果的な対話やコミュニケーションがカギになるわけです。
ここで重要なのは、あくまでも戦略を正しく理解させるために考えさせることが目的であるということ。つまり、巻き込むこと自体に大きな意味があるのです。決して、やるべきことがあるのに、一から考え、現場で覆すということではありません。本部が策定した戦略を「決まったこと」として現場に伝えても[本部=いろいろ押し付けてくる]というスキーマが出来上がっていますから、まったく頭の中に入っていきません。そこで、本人に意見反映の余地を持たせ、戦略を考えさせ、結論を出させる。極端な言い方をすれば、“巻き込んだ風”に計画策定のプロセスをなぞらせ、戦略と同じ結論に至ればそれでいいわけです。事実、ほとんどの場合、意図的なリードをしなくても、同じフレームワークを使えば、現場で考えても、本部と同じ戦略が導き出されます。
下のグラフを見てください。

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部門戦略に関する意識調査

これはコラム1でも触れた意識調査の結果の一部です。この組織ではあまり戦略浸透がされていなかったため、上記のような巻き込み型の展開を図ったところ、一年後、「戦略は、自分が考えていたことと同じようなものだった」ことが理解でき、その結果「やりがいを感じた」ということが顕著に出ています。

それにしても、戦略を正しく理解させるためとはいえ、何とも手の込んだやり方だと思われるかもしれません。ただ前述の通り、巻き込むこと自体が目的なのですから、準備さえきちんとしておけば、洗練された効率的なやり方で巻き込むことができ、負荷もロスもほとんど発生しません。逆に、こうした戦略を自分の中に落とし込む契機がないと、全く理解もないまま実行されなかったり、たとえやったとしても、本質が掴めていないので型どおりのことしかできなかったり、結局は何の成果も上がらないという最大のロスにつながるのではないでしょうか。そして何よりも怖いのが、「やってだめだった」(戦略が良くなかった)のか、「やり方がまずかった」のか、ただ「やらなかった」のかも分からない、あやふやなレビューのまま翌期の戦略が練られ、事業の方向性までも見誤る、といったより大きな代償として返ってくることです。

 

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「わかっているけどできない!」は本当ですか? ①~営業現場における「戦略実行を引き出すコミュニケーション」の活性化事例~

株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所
コンサルティング部 戦略実行コンサルティンググループ
河村 亨

目次

はじめに

「我々の事業の目的は、より良いコミュニケーションを通じて、人間社会のより良い理解をもたらすことである」

これは50年前にゼロックス創業者のJ.C.ウィルソンが残した「ゼロックス・フィロソフィー」です。私は企業コンサルティングに携わる者として、また富士ゼロックスの関連会社の一員として、日々この言葉を深く噛みしめています。なぜなら、10年以上に及ぶ成果創出に向けたコンサルティング活動においても、また戦略実行の場においても、より良いコミュニケーションによってより良い理解を促進することがいかに重要であるかを痛切に実感しているからです。 よく戦略を実行する現場では「分かっているけどできない」という表現が使われます。ただ、よほど突発的な事象が連続して発生したのならともかく、その多くは「実は戦略を分かっていない」または「戦略を実行することは日々の活動より優先度が低いと理解している」といった状態ばかりです。

戦略実行がうまくいかないのは、結局、戦略に対する理解の不足にあるのではないか。その不足を埋めるためにどういうコミュニケーションをすればいいのか……。本稿では以上のことを趣旨に、論考を進めてまいります。

戦略実行における課題 —言ったことをやらない、言った通りにしかやらない

戦略実行における課題は、戦略の発信側(経営サイド)から見たとき、大きく分けて2つあります。1つは営業現場が「言ったことをやらない」こと、もう1つは「言った通りにしかやらない」ことです。
前者の事例を1つ挙げましょう。「新製品がないから売れない……」普段そうぼやいている営業マンがいる。では、特徴的なスペックを持つ新製品が出たとき、すぐにそれに飛びつくかとういうと、そうはならない。トップから拡販指示が下りているにもかかわらず、新製品だけに初期不具合や故障があるかもしれない、サポートが追いつかないかもしれない、なにより自分自身が新しい商品知識を覚えられないなどの先入観や不安から腰が引けてしまい、販売が全く進まないというケースがよく見受けられます。その結果、単に新商品が売れないだけでなく、新領域のポジション獲得に取り組みもしないうちに失敗感が植え付けられ、その分野の販路拡大の可能性まで摘まれてしまうのです。

更にこういった場合、経営側は大抵、新商品の販売目標を上乗せしています。すると今度は、「要は売れればいいんでしょう」等と勝手な解釈をし、帳尻を合わせようとして営業マンが既存顧客への既存商品のムリな押し込み販売を行い、それによって予算は達成したものの、顧客内に翌期に響く在庫が残ってしまったり、顧客との信頼関係が損なわれてしまうということが起こります。
これらはまさに、営業マンが新商品の戦略的重要性や関連性を理解していないことにより引き起こされます。

戦略実行における「理解」と「納得」—正しく理解していないから、納得していない

ここで、戦略実行について基本的な理解の枠組みを押さえておきましょう。戦略は、まず戦略そのものを理解し、理解したものに納得し、納得したものを実行し、実行することで定着していくという段階を経て、戦略目標の完遂度が上がっていきます【図1】。

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図1 戦略実行の段階

特に、戦略を最後までやり抜くためには、その納得する度合いを高めることがとても重要で、これについては我々の研究結果からも確認されていますし、どなたからも共感いただけることだと思います。ここで私が問題にしたいのは、果たしてその納得というのは、正しい理解に基づいた上での納得かということです。
「理解」と「納得」の関係について、さらに突き詰めましょう。図式的に分類すると、

  1. 正しく理解した上で納得している
  2. 正しく理解しているが納得していない
  3. 正しく理解しておらず納得もしてない
  4. 理解していない、あるいは間違って理解したまま納得している

という4つのパターンが考えられます【図2】。

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図2 理解と納得の関係

このうち、今回私が照準を当てたいのは(3)、すなわち、間違った理解や不十分な理解によって(それゆえに)納得していないというケースです。
たとえば、戦略を説明すると、「それは前に聞きました」とか「前にやりましたが、ダメでした」と言う人のほとんどは、イメージだけで実は戦略についてほとんどわかっていないのではないか。あるいは、「うちの会社は戦略を立ててはあれこれ施策として営業現場にを落としてくるけれど、そんなのやってられないよ」と言う人は、実際に何が施策なのかすら理解していないのではないかというものです。

戦略実行における「理解」と「納得」—そもそも戦略が理解されていない

こうした仮説を検証するため、事例を提示します。
我々は戦略実行のコンサルティングに入るとき、最初にその対象組織のマネージャーとメンバーに意識調査を行います。調査のポイントは、戦略に対する「理解」「納得」「実行」の度合いを確認すると同時に、その戦略実行に向けてマネージャーはどのようなマネジメントをしているか、各メンバーはどのような営業活動を展開しているのかを確認します。
これらの要素に対して50問程度の質問項目に7段階でその実行度を自己と他者で評価します。【図3】

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図3 調査の構成

この調査の、戦略の「理解」「納得」「実行」に関する部分を、ある企業に対して行い、営業所別に集計したものが【図4】です。

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図4 調査結果に見る戦略理解のレベル(A社/営業所別)

各営業所の3つの棒グラフの高さを比べてください。同じように戦略が展開されているはずなのに、営業所間で結果に大きくバラツキがあります。また面白いのが、本来正しい理解をしていれば、理解→納得→実行と段階が進むに従って、歩留まりが生じるため、右肩下がりの並びになるはずですが、結果は、ほとんどがそうではなく、むしろ山型が多い。つまり、十分に理解していないけれどなんとなく納得して実行しているということになりますが、何をもって納得しているのかが不可解です。
この調査では続けて、「あなたが意識して取り組んでいる戦略は何か」という質問を行い、自由記述による回答を得ています。
そして、理解度のレベルが一番高かったG営業所の回答をまとめたサンプルが【図5】です。

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図5 調査結果に見る戦略理解の内容(A社G営業所)

理解度の一番高いG営業所でも、回答内容はバラバラで共通性を見出せません。実際には重点市場に関する戦略や施策について何度も発信されていますが、キーワードすら含まれていない。そればかりか、「相互に協力し合う」とか、「成功と失敗を次につなげる」とか、標語や精神論のような、およそ戦略と呼べない記述も目立ちます。これもこの会社だけのことではなく、トップが「戦略を徹底している」と豪語する企業を含め、どの企業でもほとんど同じ傾向になります。
以上から言えることは、戦略に納得する・しないという段階の前に、そもそも戦略が正しく理解されていないという問題があるということです。

我々が「理解」と思っているもの—実は思い込みや勘違い?

もう少し「理解」について、違った角度から掘り下げてみましょう。先の意識調査で高業績チームと低業績チームをピックアップし、それぞれのマネージャーが選んだチーム内の高業績者と低業績者を対象に、定量調査を行いました。調査の内容は、マネージャーがチームに関わっているか、自分のやっていることが戦略と合致しているかの2点です。
まずは前者の調査結果から【図6】。

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図6 高・低業績チーム別 メンバーのマネージャー評価

 

高業績チームはマネージャーの取り組み姿勢に対するメンバーの評価が高いことがわかります。高業績者と低業績者の評価に一部バラツキが見られますが、これはマネージャーの関わりが密であるがゆえに、関わり度合いに応じて個人の評価が分かれると考えられます。一方、低業績チームは、マネージャーの関わりそのものがほとんどないため、高業績者と低業績者のどちらも評価が低く、バラツキが見られません。
では、メンバー自身の、戦略実行に向けた日々の営業活動に対する自己評価はいかがでしょうか【図7】。

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図7 高・低業績チーム別 メンバーの自己評価

高業績チームは高業績者も低業績者も自己評価のレベルがほぼ一致しているのに対し、低業績チームは両者の評価にかなりの開きがあります。
これは何を意味しているのか。低業績チームはマネージャーの関わりが薄いので、自己評価が客観的でなく、個人の業績を他と比べた主観的な評価になりやすい。そのため、高業績者は自信過剰になり、逆に低業績者は自信喪失になるのです。
では、高業績チームで自己評価が一致するのはなぜか。優秀なマネージャーは、人によってコミュニケーションを使い分けます。できる人にはもっと高いレベルを要求し、できない人には自信を持たせるような関わり方をする。その結果、メンバーの自己評価が高すぎず低すぎず、一定のところで安定するのです。

ここで私が言いたいのは、人の理解というのは、所詮、主観的なものだということです。つまり、低業績チームの高業績者が自己評価を高く見積もるのと同じように、自分が理解していると思っていることは、実は思い込みや勘違いだったりするということです。

以上まとめると、戦略実行がうまく行かないのは、戦略の理解という最初の段階でつまずいていることが実際に多い、というのがコラム1の結論です。
そこでコラム2では、なぜ「理解」ができないのかという理由を、学術的な観点から明らかにし、理解を促進するための基本原理について考察していきます。

 

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株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所
コンサルティング部 戦略実行コンサルティンググループ
河村 亨

目次

「X’S-MAP(クロスマップ)」とは何か

私たち富士ゼロックス総合教育研究所が戦略実行のマネジメントツールとして提供し、富士ゼロックスの営業部門でも10年近く取り組んできた「X’S-MAP(クロスマップ)」というフレームワークがあります。これは、Xerox(ゼロックス)、Strategy(戦略)、Market(市場)、Account(顧客)、Process(プロセス)という、営業をマネジメントする上で重要な要素となるもの、それぞれの頭文字をとって名付けたものです。戦略を実行する上で、ターゲットとなる市場やお客さま、取り組む施策や活動プロセスなどを可視化し、一貫して運用していくためのフレームワークです。まずは、以下に「X’S-MAP」の骨子について説明します。

戦略を立案し、展開するためには「何を」、「どこに」、「どのように」の3つを明確にすることが重要です。これらをフレームワークで可視化したものが、【図A】になります。

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図A X’S-MAPフレームワークの骨子

では、これらについて個々にご説明していきます。

(1)戦略遂行の可視化…「何を」

お客様にどんな価値を提供するのか、そのためにどんな施策を打つのかといった戦略を可視化するフレームワークです。バランススコアカードの考え方を導入し、財務の視点(売上、利益など最終的にどのような財務的成果を上げるのか)、顧客の視点(その売り上げをあげるためにどのような価値を提供し、評価されるのか)、プロセスの視点(その価値をお客様に提供するために、組織として[施策など]何をするのか)、学習と成長の視点(その施策が遂行できるよう、育成やインフラなどの仕組みをどう整えるのか)を関連付けて明らかにしていきます。更に営業部門としての戦略ですので、例えば「攻める戦略」「守る戦略」「効率化する戦略」など、(総花的で絵に描いた餅にならないよう)戦略群とターゲットを明確にし、メリハリと一貫性をもって整理・運用していく必要があります。

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(2)市場の可視化…「どこに」

上記で触れたように、営業戦略には、攻める戦略、守る戦略、効率化する戦略がありますが、次にどの戦略をどのようなお客さまに対して展開するのか、それぞれのターゲットを可視化し、営業としての対応姿勢を規定するフレームワークが必要です。このとき、お客さまを次の2つの軸で評価し分類します。1つはお客さまの総購買力。自社の製品・サービスをどれだけ買ってくれるかというポテンシャルであり、魅力度とも言い換えられます。もう1つは現時点での自社との取引状況、特にインナーシェアです。この2つの軸で高低を評価したとき、図のように4つのゾーンに分けられますが、それを上記の戦略群と次のように連動させて考えます。

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まずは購買力が高く、インナーシェアも高いAゾーン。ここは《最重要顧客》、いわゆる「お得意さま」です。自社にとって守る市場であり、組織的関係構築(会社対会社の関係)を重視した守る戦略が必要です。
では購買力が高いのにシェアが低い、あるいはまだ取引のないBゾーンはどうでしょうか。ここは一番力を入れて関係性を強化したい《重点攻略顧客》ですので、もちろん差異化による攻める戦略が必要になります。
しかし悲しいかな、放っておくとつい足しげく通ってしまうのがCゾーンの顧客です。会社の規模は小さいのですが、自社製品の扱いの割合が大きいため、手堅く一定の売上げが見込めるからです。アポなしで会えて、取引に関して何でも教えてくれて、場合によっては決算時期の無理な“お願い”も聞いてくれる。担当する営業にとってはありがたいお客さまですが、ついつい売り上げ規模に対して過剰サービスになりがちです。ここは組織的支援と意識改革により効率化を図り、活動時間を減らし、その分を重点攻略顧客に再配分したいところです。
購買力もシェアも低いDゾーンに対しては、あえて戦略を立てるまでもありません。むしろ何もしないことを徹底させることが重要です。

(3)活動プロセスの可視化…「どのように」

(2)でお客さまを振り分けた後、それぞれに対してどのようなプロセスで活動していくかを可視化するフレームワークです。最重要顧客、重点攻略顧客、効率化顧客に対して異なる活動シナリオが必要となります。特に重点攻略顧客に関しては、これまで、普通にやって上手くいっていないわけですから、案件ごとに個別の攻略シナリオをつくり、緻密な戦略を練った上でアプローチをかけます。

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戦略展開の実行手順

さて、以上のフレームワークを使って戦略策定をし、実行していくわけですが、メンバーに戦略を理解させる上で特に重要なのが(2)のお客さまの分類です。本部からの一方的な指示で動いていると、営業はどのお客さまが本当に重要な顧客なのかがわかりません。単純にたくさん買ってくれるお客さまが最重要顧客だと思っていたり、あるいは顧客に(上記のような4タイプ含め)タイプがあることさえ認識していない場合もあります。ですから、まずはお客さまの層別の段階からメンバーを参画させ、評価軸や枠組みを自分たちで考えさせるところから始めます。お客さまの層別ができると、それぞれのゾーンにどれくらいの時間を配分し、どのような基本行動を取るべきなのか、という活動リソースの最適化が見えてきます。ここまで来ると、戦略の理解がかなり進みます。
コラム2では、「重要なのは計画策定にメンバーを巻き込むこと自体が重要なのであって、一から考え、やるべきこと(戦略)を覆すことではない」。とご説明しました。したがって、マネージャーは、結果ありきではないという姿勢を示しながらも(意見を求めながらも)狙った結果に収束するようにリードしていかなければなりません。洗練された効率的なやり方によって、メンバーの負担もロスもなく巻き込むことはできますが、そのためにもマネージャー自身は十分な準備とファシリテーションのスキルが必要となります。
またこの場合は、戦略そのものの策定段階から巻き込む必要はありません。考えることが重要なのですから、ターゲットを選ぶことを真剣に考えれば、自然と実施する内容やその意義についても対話がうまれますので、必然的に戦略自体への理解も深まっていくわけです。 何を(戦略)どこに(ターゲット)が決まったわけですが、それだけで行動が生まれるわけではありません。ただ「Bゾーンの顧客には活動ウエイトを40%以上割くように設定したのだから、ちゃんと訪問するように!」と言っただけでは、訪問してどうするのか(具体的行動の理解)、訪問したらどうなるか(実施の意義の納得)、がイメージできず、行動までたどり着きません。
そこで、重点攻略顧客に対して攻略シナリオが必要となります。攻略シナリオとは、当面のゴールである受注に辿りつくまでには、いつまでに何をやるべきか(どのような合意をいただくか)というマイルストーンを受注予定日から逆算して設定し、それぞれの達成期日を明確に(明文化)することを指します。こうした攻略シナリオもメンバー自身に考えさせるようにして、自己決定を導き出します。
こうした戦略実行におけるマネジメントをマネージャーが主体的に行えるように指導するのが私たちコンサルタントの仕事です。【図B】

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図B 現場支援イメージ

まずは勉強会で戦略展開の基本フレームワークを共有し、次に現場で実際に戦略実行のマネジメントをしてもらいますが、私たちはそのパートナーとして、マネージャーが自走できるようにマネージャーに個別のコーチングを行います。

戦略展開の実践事例

これらのコンサルティング施策は通常、まず選抜チームを対象に試験的に実行し、活動実績を作り成果を確認した後、全社展開をします。
その実践例として、ある製薬会社のMR(医薬情報担当)を対象に行ったコンサルティング事例を紹介しましょう。

注記
本事例は秘匿性を確保するために、意味合いを考慮した上で、内容・表現を変更しております。
まずは先ほど説明したように、本部戦略をマネージャーレベルですり合わせた後、現場勉強会での戦略確認やお客さま評価軸の検証によるゾーン別の活動指針を決めました。重点となるBゾーン顧客に関しては、個別の案件攻略シナリオを策定しました。攻略シナリオはマネージャーとメンバーですり合わせを行い、メンバーの退出後に、マネージャーに対して私たちが質問や指導を行う、という要領で施策を実施しました。

今回は全国展開する営業所の中から2つの営業所を選抜し、施策を実施しました。
効果はどう現れたか。まずゾーン別活動比率の変化を見てみましょう【図C】。

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図C 活動ウエイトの推移

施策開始後、活動が経過するにつれて、Cゾーン顧客への訪問が減り、Bゾーン顧客への訪問比率が大きくなっています。Cゾーンの効率化と、それに伴うBゾーンへの活動時間の充当という、狙い通りの結果です。 次に各ゾーンに対する活動プロセスの内訳はどうか【図D】。

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図D 活動プロセスの推移

縦軸の(1)~(7)は活動プロセスの段階を時系列で示しています。Bゾーンはこれから攻略する顧客なので、プロセスの前段活動(アプローチや課題共有)の時間が増えることが望ましいと言えます。実際、Bゾーンの活動プロセスの変化を見てみると、プロセスの前段活動の訪問が増え、特に(2)の課題共有での訪問に関しては3ヶ月目に劇的な増加が見られました。
面談時間の変化はどうでしょうか【図E】。

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図E 活動レベル(面談時間)の推移

他業界の方にはイメージし難いかもしれませんが、製薬会社のMR(医薬情報担当)にとって、ドクターとの面談は時間が勝負です。Bゾーン顧客への面談時間の変化を見ると、1ヶ月目より2ヶ月目、3ヶ月目の方が1回の面談時間が長くなっていることがわかります。挨拶程度、または歩きながらの周知の段階から、足を止めて話を聞いてもらえる状態になり、次第にアポイントを伴うきちんとした面談になっていく、という攻略シナリオに沿って事前準備をきちんと行うことでの効果が出てきたことが読み取れます。
では、どんな商品を提案できているかについて見てみましょう【図F】。

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図F 活動内容(情報提供分野)の推移

魅力度の高いお客さまに対して、わざわざシナリオを練って新規取引を拡大するわけですから、これまでの商品を同じようなやり方で紹介するのでは意味がなく、やはり戦略商品や新商品などの新しい価値をそれに見合ったやり方で紹介しなければなりません。結果は狙い通り、活動が経過するにつれてBゾーン顧客に対する戦略商品の提案が増え、それに引っ張られて他の新商品の提案も増えていきました。
以上は行動の変化ですが、それによって営業成果は上がったのか。Bゾーン顧客における対前年比の実績(売上ベース)の伸びを比較してみます【図G】。

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図G 営業成果I「Bゾーン顧客における売上伸張率」の推移

施策を実行した2営業所(E、I)のいずれも6ヶ月で実績が伸び、特にE営業所では上期(4月~9月)でマイナスだったのが、下期(10月~3月)で倍以上の大幅な伸びになりました。

Bゾーン以外も含めた全体実績の伸長率を見ても、施策開始前の2営業所の平均伸長率は他営業所のそれを下回っていたのに、時間が経過するにつれて上回るようになってきました【図H】。

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図H 営業成果II「全顧客における売上伸張率」の推移

この結果から、Bゾーンに活動を集中させたことで実績の総量が伸び、また活動を効率化しても実績が落ちないことが読み取れるかと思います。

以上の事例は医療業界ということで特殊な成功例だと思われるかもしれませんが、一般の企業でも同じような結果が得られます。もちろんいきなり売上増というわけにはいきませんが、たとえばある装置メーカーでも、戦略新製品の拡販計画で同様の施策を展開したところ、対象営業所では、活動を始めてから3ヶ月後辺りから新規案件の発生数が上がり、最後は飛躍的に増加するようになりました【図I】。

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図I 営業成果III「その他業界における新商品新規案件発生数」の推移

ここはサポートやメンテナンスの仕方がわからないという理由で新製品が動かなかった会社ですが、戦略策定での巻き込みにより「やってもムダ」という営業担当者の意識(スキーマ)が変わり、営業活動にきちんと取り組むようになったことが成果として現れたのです。

さいごに

さて、コラム1から3回にわたって、戦略実行における戦略の正しい理解と、それを促進するための効果的なコミュニケーションについてお話してまいりました。伝え方ひとつで理解が進み、理解が進むことによって行動が変わる。そして行動によってさらなる理解が促進されるというサイクルが回り出す。そうしたサイクルこそが戦略実行をやり抜くための推進力となっていくわけです。
そのための仕掛けとして、私たちが戦略実行のコンサルティングで展開しているフレームワークと施策についてご紹介しました。「とにかく動け」といった命令ではなく、自己決定によるコミットメントを引き出すことで自律的に行動させること。そうしたコミュニケーションやマネジメントの重要性をご理解いただければ幸いです。

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【戦略実行】「わかっているけどできない!」は本当ですか?シリーズ

臆病な営業担当者のための経営層へのヒアリング法 ~ カウンセリングに学ぶ営業面談の心構えとスキル ~

コンサルティング営業2部
小杉 和也

■はじめに

「営業担当者が顧客の経営層に会えていない」「購買部門や総務部門とばかり面談して企画部門やキーマンと面談できていない」。営業を統括している役員や部門長と面談したときに、このような相談をよく持ちかけられます。

企業が購買決定する際には、複数の部門にまたがる合意形成と経営層の意思決定が必要となります。このため、企業向けビジネスを展開する企業の営業担当者には、これまで訪問する必要のなかった部門や経営層へもアプローチを行い、情報収集や合意形成の支援を行う活動が求められます。

こうしたことから「トップアプローチ」や「企画部門への訪問」を営業部門の重点方針として掲げている企業も少なくありません。しかし、営業担当者にとっては容易ではありません。その理由の一つは、訪問してもどんな話をしたら良いか分からないことです。

こうした問題を解決する方法としては、MBA的な研修が思い浮かぶかもしれません。経営者目線で話せるようにするためです。もちろん、そのようなスキルも必要でしょう。ここではあえて別のスキルをお勧めします。「カウンセリング」のスキルです。カウンセリングというと、「病んでいる人の相手をするスキル」「ただひたすら相手の話を聴くだけ」という否定的なイメージを思い浮かべる人もいます。そうではありません。カウンセリングは、人と人とが向かい合って共有する時間を有意義なものにするための有効な考え方やスキルを提供してくれるものなのです。

このコラムでは、営業担当者が、お客さま、特に経営層と自信を持って接することが出来るようになるために、カウンセリングスキルの活用方法を紹介します。

■営業活動で体感した「聴く力」の効果

私は、臆病な営業担当者でした。お客さまの事業運営上の課題を解決する研修の提案を行っているのですが、いざ経営層の方々と面談する場面になると、「どんな話をしたら良いか分からない・・・」「私ごときが何か物申すのは失礼なのではないか・・・」と臆病風に吹かれておよび腰になってしまうことが多々ありました。経験不足や自分への自信のなさが原因でした。会社を代表してお客さまの経営者と面談するという行為は、漠然と分不相応な気がしていたのです。

苦手ながらも経営層との面談機会は不定期に訪れ、その度に居心地の悪い思いをしていました。ところがある時、面談後にお礼を言われたのです。それ以降、一度や二度ではなく、何度も、そしていろいろな経営者がお礼を言ってくださったのです。初めのうちは、なぜお礼を言われるのかがわかりませんでした。やがて、それはヒアリングの後に言われることが多いことに気づきました。提案内容を検討するためにお客さまに対して現状の課題などを質問するのですが、そのときに、決まってお礼を言っていただいたのです。こちらからは質問するだけで何の情報提供もしていないため、お礼を言われるのは不思議でした。実はこれは、経営者の方々にとっては、「カウンセリングを受けた」のと同じ効果が出ていたことに後になって気づきました。

カウンセリングには、「人と人との関係そのものが癒す」という考え方が根本にあります。人は本来「自ら育つ力」を持っています。しかし、人はそれぞれの置かれた環境の中で時に様々なプレッシャーを抱え、目の前の問題に心を捕らわれ、その結果、自分の本来の力を発揮しえない状態に陥ってしまうことがよくあるのです。 こうした問題を改善するために、カウンセリングでは人と人の「関わり」を使います。具体的に言うと、対話です。これによって、自分が十分に自分らしく居られる時間を過ごすことができ、現在の自分を客観的かつ肯定的に見つめ直すことができるようになるのです。

経営層へのヒアリングの例で言うと、私は中立的な外部の人間であり、かつ何かをアドバイスするのではなく聞くだけであったため、偶然にカウンセリング的な効果が生まれたのだと思います。経営者の方の混乱した考えが私に話をすることで整理されたのでしょう。同時に、日ごろ抱えていた重荷も和らいだのでしょう。

もともとは偶然だったのですが、その後、私はカウンセリングを学び、意図的にそのスキルを営業活動に活用するようにしました。その結果、お客さま経営者との面談でおよび腰になることが少なくなりました。「答えは常にお客さまが持っている」「お話しを聴くだけでお役に立てることがある」そう思えるようになったことで、気負いが軽減されたのです。

■カウンセリングにおける「聴き方」

では、具体的に、カウンセリングのスキルとはどのようなものでしょうか。ここでは概要をご紹介します。

カウンセリングの神様と呼ばれるカール・ロジャーズは、3つの基本姿勢を上げています(注1)。

1つ目は、「受容」です。カウンセラーが相手の話を聴く時は、自分の価値観や好みによって取捨選択せず、相手のどの側面にも、偏りなく積極的かつ肯定的な関心を向けることを意味します。たとえ相手の話の中に、矛盾する要素や同意できない内容が表現されていても、いずれも相手のかけがえのない側面として無条件に大切に受け止めて、その心に寄り添います。

2つ目は、「共感的理解」です。相手が物事をどのように見て心でどう感じているかを、その微妙なニュアンスに至るまで、あたかも相手自身であるかのように感じ取り、その感じ取ったことをていねいに相手に伝え返していくことを意味します。そのためにカウンセラーは、相手が話す「事柄」だけでなく、その裏側にある「感情」やそれらが示す「意味」まで感じ取り、言葉で的確に示して確認していきます。これは決して相手の話す「内容」に同意するということではありません。相手の心がどう感じているかを理解し、その背後の「感情」に対して共感を示すのです。

3つ目は、「自己一致」です。相手から感じ取っていることや相手との関わりにおいて、カウンセラー自身の中に生じてくる「感じ」に対して、偽りや誇張なく、忠実で誠実に反応することを意味します。相手もこちらの心の動きや感情を、敏感に感じ取ります。決して、表面的な社交辞令や一般論を口にしたり、自分を大きく見せようとしたりしてはいけません。嘘偽りない誠実な存在として、相手の感情を受け止め、感じ取った内容を忠実に伝え返していくのです。
以上の3つが、カウンセリングの基本姿勢です。この3つが揃った状態で「聴く」ことではじめて、相手に「自分が十分に自分らしく居ることができる時間」として感じてもらえる空気感をつくることが出来るといわれています。

なお、カウンセリングにおける「聴き方」の技法は、一般的な傾聴スキルの組み合わせが主流です。具体的には「うなずき」「あいづち」「繰り返し」「言い換え」「要約」「確認」などです。重要なのは技法よりも、相手がどう感じるかです。相手の話を聴く過程で、「事柄」だけでなく、その裏側にある「感情」や、それらが示す「意味」を適確に感じ取り、それを言葉で伝え返して確認するのです。

■むすびにかえて 営業活動の中でのカウンセリングの位置づけ

もちろん、営業場面で、お客さまの方から「カウンセリングして下さい」と言ってくることは100%ありません。あくまでも、カウンセリングについては、お客さまと向かい合って共有する時間を有意義なものにするために、営業担当者が勝手に「カウンセリング的なお話の聴き方をする」という位置づけになります。

一般に、営業担当者が話す時間は「お客さま:営業担当 = 7:3」が理想といわれています。話し過ぎる営業は失格です。お客さまからの情報収集に7割の時間を費やし、残りの3割を自社の商品・サービスに関する情報提供に充てるわけです。

カウンセリングスキルを意識すれば、このお客さまが話す7割の(お客さまにとっては付加価値のない)時間を、お客さまにとって価値のある時間に変えられる可能性があります。単に情報を頂戴する時間だったものが、お客さまの活力を呼び起こし、思考を活性化するお手伝いする時間へ変わるかもしれません。お客さまとの面談時間をより付加価値の高いものにする力をカウンセリングは秘めているのです。

以上、お客さまと営業担当者が向かい合って共有する時間を有意義なものにするための、カウンセリングの活用について考察してきました。もし、私のような臆病な営業担当の方にこのコラムを読んでいただけたのならば、少しでも現状の閉塞感を脱し、お客さまとの新たな関係性を構築するヒントになれば幸いです。

<参考文献> 注1:諸富祥彦(1997)『カール・ロジャーズ入門一自分が”自分”になるということ』コスモス・ライブラリー

(2015.09.30)

戦略実行・営業力強化

戦略を実行するのはなぜ難しい?戦略を実現するチームとは?セールスとは?ご支援の実績から考えていきます。


コラム



レポート

160HOGAN ASSESSMENT

HOGAN ASSESSMENTとは

リーダーの強みとプレッシャー下のリスク行動、価値観を診断するパーソナリティテストです。フォーチュン500に代表される企業の半数以上で導入実績があり、55ヵ国44の言語で、タレントマネジメントに活用されています。

提供サービス

当社は、国内初となるホーガン アセスメント システムズ社(以下ホーガン社)の日本代理店として、HOGAN ASSESSMENTのテスト結果をもとに自己理解と能力開発につなげるフィードバックセッションを中心としたサービスをご提供します。 またHOGAN ASSESSMENTの使用を認定するCertificationコースや、Certificationを取得された方向けのフィードバックコースも用意しております。
下記を参照ください。
>ご案内:Certification(認定コース)およびFeedback(フィードバックコース) [PDF266KB]
>お申し込み:【HOGAN ASSESSMENT】① Certification <認定コース>
>お申し込み:【HOGAN ASSESSMENT】② Feedback <フィードバックコース>

【戦略実行】営業現場における「戦略実行を引き出すコミュニケーション」の活性化事例(第1回)

シニアコンサルタント  河村 亨

※本コンテンツは、富士ゼロックス株式会社配信のメールマガジン
「X-Direct (エックスダイレクト)<2013年10月号>」に掲載されたものです。

営業現場における「戦略実行を引き出すコミュニケーション」の活性化事例

■「わかっているけどできない!」は本当ですか?
~営業現場における「戦略実行を引き出すコミュニケーション」の活性化事例~


ここ数年、[戦略実行]という言葉が多く叫ばれ、「せっかく立てた戦略が上手く実行されない」ということが共通の関心事になっています。
「戦略が上手く実行されない」そこにはどんな原因があるのでしょうか? どうすれば解決できるでしょうか?
キーワードは“正しい”「理解」と“効果的な”「コミュニケーション」。

今回より3回にわたり、この課題の現状、原因と対応策、効果的な実践事例などを、実際のフレームワークを交えて紹介していきます。

第1回は、これまでさまざまな観点から論じられてきたこれらの課題により本質的な切り口からアプローチします。

(本文は下記URLより御参照ください)
http://www.fujixerox.co.jp/cgi-bin/xdirect/m?M=DA010E176Mstaff00001

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■ 本コンテンツに対するお問合せは下記URLよりお願い致します。
http://www.fxli.co.jp/inquire/index.html

FXLI Discussion Paper 2009-001「営業マネジャーの課題に関する実態調査-簡易報告書-」

坂本雅明(研究室)
丸山 健(商品開発部)

要旨
まず、営業マネジャーが認識している環境変化や課題について、1998年時点との違いを分析すべく、定量調査を実施した。「1.営業活動を取り巻く環境変 化」、「2.営業活動・営業組織の変化」、「3.営業マネジャーにかけられている期待」の3点を調査したところ、以下の傾向が明らかになった。

  次に、プレイング・マネジャー化が進み、自分自身も数字責任を負わされる中で、部下を育成するための方法を考えるヒントを得るべく、自由回答法にて定性調 査をした。「4.営業メンバーの変化」、「5.営業メンバーを指導・育成する上での問題」、「6.営業メンバーに基本的スキルを指導する方法」の3点につ いて調査したところ、以下の傾向が明らかになった。

 
※本調査結果は、営業マネジャー向けプログラム『PSSマネジャー』に反映されています。

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